2014年10月10日

今は異常気象というけれど…昭和初期や昭和中期の関西を襲った台風被害や大水害

近年、大規模な水害があると、「異常気象のせい」と言われますね。

報道も「この場所に80年住んでるけどこんな出来事は初めて」
なんてお年寄りのコメントが載ったりします。

でも、本当にこれらは「異常気象」なんでしょうか?
過去にはそんなに水害はなかったんでしょうか?
ちょっと気になったので、
京都在住の私にとって身近な関西圏の水害を調べました。


昭和9年(1934年)9月21日の室戸台風

全壊した京都西陣小学校 歴史写真会「歴史写真(昭和9年11月号)」
※クリックして頂くと拡大した画像が開きます

死者2,702人、不明334人、負傷者14,994人。
家屋の全半壊および一部損壊92,740棟、
床上・床下浸水401,157棟、船舶の沈没・流失・破損27,594隻
室戸台風 - Wikipedia

学校もあちこちで被害に遭いました。
右京区の淳和小(現西院小)や上京区の西陣小は倒壊。
多数の子供たちが生き埋めになったそうです。
京都市消防局:昭和9年9月21日 室戸台風

室戸台風から80年 今なお学ぶべき教訓ある 取材ノートから−京都新聞 2014年10月01日
最近は台風というと、
初の特別警報発令となった昨年(2013年)の台風18号や
今夏の京都府北部豪雨など水害が注視される。
暴風に対する警戒は緩んでいないだろうか。
京都の災害史に詳しい佛教大の植村善博教授は
(近年)「京都には強い風台風が来ていないだけ」と話す。


昭和10年(1935年)6月29日未明 鴨川大水害

鴨川真発見記<121から126>/京都府ホームページより 鴨川沿岸 京阪電鉄四条駅「プラットホーム」の破壊
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京都府 鴨川 千年の都と鴨川治水(PDF:3,387KB) 先斗町(ぽんとちょう)付近
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これは以前、記事にしましたね。
鴨川あれこれ2 昭和の鴨川大洪水(鴨川水害)と平安京

鴨川にかかる26橋のうち五条大橋など15橋が流失。
三条大橋など上流の橋が流失して
当時コンクリートアーチ橋の四条大橋に引っかかり川の流れをせき止め、
あふれた水が先斗町や鴨川と平行して走る京阪本線に
路盤流失・駅舎やホーム・琵琶湖疏水の団栗閘門を破損させ
東山区側の宮川町も浸水、
さらに朝には団栗橋・松原橋・五条大橋を倒壊させて
正面橋をせき止めてさらに大きな被害を出した。
この洪水で橋で被害がなかったのは北大路・加茂・七条の3つの橋のみだった。
鴨川 (淀川水系) - Wikipedia
…という京都市内の大水害。

鴨川だけでなく、桂川や天神川も氾濫し、その総数は、
死傷者83人、家屋流出187棟、家屋全半壊295棟、
床上床下浸水43,289棟。
昭和10年の鴨川大洪水とその後の治水対策について/京都府ホームページ


京都府 鴨川 千年の都と鴨川治水(PDF:3,387KB)
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昭和13年(1938年)7月3日〜5日 阪神大水害

水害で被害を受ける神戸市加納町三丁目付近
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6月末に太平洋岸に形成された顕著な梅雨前線が
7月3日に瀬戸内海を通過、
3日の夕方から降り始めた激しい雨は4日夕刻に一時収まったが、
5日午前1時から5日13時23分まで大豪雨に。
1時間に60.8o、総降水量は六甲山で616o。

死者行方不明者715人、家屋流出5,732戸 浸水109,370戸 橋梁喪失130か所
阪神大水害 - Wikipedia


昭和初期に襲った、これらの大水害。
毎年のように大水害が襲っていたようです。
雨量は京都の室戸台風や鴨川大水害はわかりませんが、
阪神大水害は1時間に60o以上の雨が降っていたようです。


昭和中期 昭和28年(1953年)8月14日〜16日 南山城大水害
日本がまだ戦後の復興期にあった昭和28年(1953年)、
8月14日から16日にかけて近畿北部に停滞していた寒冷前線が原因で、
京都府南部から滋賀県南部さらに三重県西部にかけての地域が
雷を伴った激しい豪雨に見舞われました。

相楽、綴喜地方では、特に8月15日午前1時から午前5時以降まで激しく降り、
和束町湯船地域では総雨量428mm、
時間雨量100mmに達するなど、正に記録的な大雨に。
山城の災害記録(昭和28年)/京都府ホームページ


昭和中期 昭和28年(1953年)9月25日 台風13号
南山城水害の発生から約1ヶ月後の9月25日、
志摩半島に台風13号が上陸しました。
この台風は、典型的な雨台風であったので、
降雨地域、降水量とも非常に大きく、
総雨量が京都府北部の多いところで500mm以上、
山城地域でも230mmを超えるなど、
京都府内の全域が豪雨に見舞われ、
淀川、由良川、木津川、宇治川、桂川等の大河川がいずれも決壊や氾濫し、
各地で浸水被害を引き起こしました。
山城の災害記録(昭和28年)/京都府ホームページ

※関西で私が知っている水害をちょこっと載せただけなので、
 抜けているものも数多く、本当はもっとあると思います。

同じ年で1か月後にまた水害があったんですね。
そういうこともあり、高山ダムなどダム建設ラッシュになるんですが、
高山ダム - Wikipedia
それで安全なのかというと…。

ダムは徐々に砂などで埋まっていきます。
1960年代に出来たダムは50年以上がすでに経過。
そういう場合にダムの底の砂を取り除くために
浚渫(しゅんせつ)作業が行われるんですが、
浚渫 - Wikipedia
ダムは100年経つと砂に埋もれて使えなくなる
とも言われているそうです。
ダムと環境 - Wikipedia

この埋もれて使えなくなる堆砂(たいしゃ)を測るものとして
堆砂率があるんですが、20%を超えると堆砂が進行しているとされるそうです。

前述の高山ダムでは、平成21年(2009年)に堆砂率は59.03%
高山ダムの堆砂状況(PDF)

全国でも、そういうダムが増えているかもしれません。
そうなれば、ダムのおかげで水害が防げていた場合も防げなくなるかも。
近年の異常気象というよりかは、
数十年に十数年のそういう水害が多い時期というものがあるかもしれません。
※気象統計は、主要な場所を除き、整備されたのは1960年以降
  気象庁 最新の気象データ 今日の全国観測値ランキング
  全国の気温のランキングですが、統計開始年が横に書かれています。
  それを見ると、70年代や80年代が主流で、2000年以降もちらほらありますね。
 過去の記録を参照して、というわけではないことに留意が必要です。


ちなみに渡月橋で有名な桂川に2年連続大水害が発生しましたが、
※2013年台風18号、2014年台風11号
その上流にある日吉ダムの堆砂率は平成22年時点(2010年)で10.49%。
日吉ダムの堆砂状況(PDF)
2年連続の水害になりましたが、ダムはちゃんと機能していたようです。


場所によって、差はあると思いますが、
これまで大丈夫だったところも、
これから先も大丈夫というわけじゃなさそうです。

異常気象というのではなく、雨の多い時代へ、
また、ダムによって水害が防がれていたところも
ダムが埋没していっている状況を考えると、ダムの機能が落ちてるんですね。

異常気象という言葉は、そういう根本的な原因をわからなくするには便利ですが、
実際には、建造された便利なものはいずれ使えなくなるということ。
高速道路やトンネルでの落盤事故も同様。

高度経済成長時に作られたものは、危険性が高まっている。

これからを生きる私たちは、
高度経済成長前の時代の出来事に真摯に向き合い、
これから起こることを予測しながら、
自分の身は自分で守る気持ちが必要かもしれませんね。

もうすぐやってくる猛烈な台風19号にも十分注意が必要ですね。
タグ:京都 コラム
posted by ポジタリアン イエロー at 09:39| ブログ
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