
Forget me not / Deanster1983 thank you for the one million + views
春の3月〜5月ごろに咲く薄青い可憐なお花、勿忘草(わすれなぐさ)。
なぜ、こんな可愛らしいお花なのに
勿忘草(わすれなぐさ)なんて名前になったのでしょうか?
季節はずれですが、ちょっと気になったので調べてみました。
答えは中世ドイツの悲恋伝説に登場する主人公の言葉にちなむんだそうです。
昔、騎士ルドルフは、
ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、
恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、
誤って川の流れに飲まれてしまう。
ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、
「Vergiss-mein-nicht!」(僕を忘れないで)という言葉を残して死んだ。
残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、
彼の最期の言葉を花の名にした。
ワスレナグサ - Wikipedia
悲しいお話ですが、この伝説から、ドイツではVergissmeinnichtと呼ばれ、
英名もその直訳のforget-me-not(僕を忘れないで)に。
日本では明治38年に植物学者の川上滝弥によって「勿忘草」と和訳されたそう。

Forget me not / Umme Salma Hamdani
ほんと、可憐で可愛らしいお花ですよね。
実は、勿忘草を最初から調べていたのではなく、
ふと前に調べかけていた「忘れられる権利」を見ていて出て来たんですね。
「忘れられる権利」ってご存知ですか?
昔なら、人の一生とともに、いろんな書類というかデータというか写真というか、
風化して忘れられていくというか捨てられていってなくなっていって…。
でも、今はネット時代で「風化」というものがないんですよね。
いつまでもデータが、それこそ人の一生どころか、ずっと残り続ける。
そういう時代背景から「忘れられる権利」というものが生まれて来たようです。
この権利、「知る権利」「報道の自由」との権利の両立が議論になるんですね。
忘れられる権利 - Wikipedia
ようするにどこからがプライバシーなのか、ということになるでしょう。
流出した個人情報などは、他者にとって知る権利があるわけじゃないですし、
そういう場合は、忘れられる権利は認められるべきでしょう。
でも、政治家などの過去の言動や犯罪などは、
その政治家の性格を国民が知るのに必要。
そんな場合は報道も認められるべきですし、
忘れられる権利の主張は認めるべきではないでしょう。
ただ「忘れられる権利」という言葉が将来、独り歩きして、
あるべき姿じゃない方向へ進むことはよくあること。
マスコミが本来のジャーナリズムを発揮しない時代では、
国民がしっかりと注意しておかないといけない気がしますね。
今の国民一人一人の役割が、未来の日本を形作るわけですから。
話は脱線しましたが、
忘れな草は欧米諸国では、
古来より友愛や誠実の象徴として広く親しまれているそうです。
小さなお花ですが、友愛や誠実を忘れないように
可愛いお花が咲くときは、いつも教えてくれてるのかもしれませんね。

Forget-me-not / Tambako the Jaguar