
MACACO-PREGO (Cebus apella) / Dario Sanches
南米アマゾン川流域の森林などに住むフサオマキザルを使った実験で、
身勝手な人を避けるように行動することを
京都大文学研究科の藤田和生教授や英国スターリング大などの
研究グループが実験で確かめたというニュース。
サルも身勝手嫌悪 人と類似 協力的社会の端緒か 京大など確認 京都新聞2013年03月06日
おサルさんの実験と言えば、
以前に最後通牒ゲームの結果は人間もチンパンジーも同じ!チンパンジーにも「平等」の概念あり、米実験で証明
という記事を書きましたね。
最後通牒ゲームの細かな内容は記事を見て頂くとして、
人間の子供たちと同じく、
チンパンジーは協力し合う意味や平等という概念を理解したうえで、
自分の取るべき行動を考えている、そんな結果でした。
今回は、集団社会の中で、協調性のある人を好む?というか身勝手な人を嫌う?
そんな結果が考えられるみたいなお話です。
人が助け合うもしくは助けない演技をした後、
その助けた人、もしくは助けなかった人が食べ物を差し出した時、
受け取りに差が出たというお話。
1.助けを求め、もう1人が助ける演技
Bさんが困っているときにAさんが手助けする演技を見せた後、
Aさんから食べ物を差し出された時、50%が受け取り。
2.助けを求めるが、もう1人が拒否する演技
Bさんが困っているときにCさんが手助けを拒否する演技を見せた後、
Cさんから食べ物を差し出された時、44%が受け取り。
…という結果だったそうです。
大きな差はないようですが、食べ物をもらえるのに、
受け取る行為が減るところに、嫌悪感情が生まれているのではないか、
理性的というよりも、感情的に嫌悪する子供の発達段階と似ているのだとか。
なんとなく、生理的に嫌いな気分になるのかもしれませんね。
嫌いな人からは食べ物をあまりもらいたくない
…そんな感情が生まれるのかもしれません。
おサルさんの世界も社会を形成しているので、
身勝手な人を嫌悪する感情を抱きやすいのかもしれませんね。

Posando / Esteban Vera
ちなみに、このフサオマキザル(Cebus apella)は、
ペットとして飼育されることもあり、
高い知能を生かして介護ザルとして訓練されることもあるんだとか。
(参照)フサオマキザル - Wikipedia
介護ザルなんているんですね。
このフサオマキザルは
サルのなかでもとくに、手先が器用だそうで、
しかも、高度な認知能力を備えているのだとか。
さらに、被介助者とのやりとりに必要な社会的認知能力も他のサルより高いそうです。
1977年にアメリカ合衆国で
サルを麻痺の患者の介護に利用する研究を始めたんだそうです。
(参照)介助猿 - Wikipedia
優しい人に近いおサルさんなのかもしれませんね。
【関連まとめ】
赤ちゃんはいじめられた側に同情的。サルは身勝手な人を嫌う?性善説が正しい?? - NAVER まとめ