国土地理院地理地殻活動研究センター (GSI_Research)さんのTwitterに
こんなツイートがあったんですね↓
平成26年5月の地殻変動について 硫黄島では4月下旬に通常より大きな隆起を観測しました。 http://t.co/wHiZLSO4yS pic.twitter.com/3OjwHCk69u
— 国土地理院地理地殻活動研究センター (@GSI_Research) 2014, 6月 9
硫黄島(いおうとう)といえば、硫黄島の戦いや、
戦後は旧島民の方々の立ち入りも制限されたりと悲しい歴史がある島ですが、
(参照)硫黄島 (東京都) - Wikipedia
今回は、そのお話ではなくて純粋に地殻変動についてです。
※ちなみに戦前、硫黄島(いおうとう)は、島民と陸軍では「いおうとう」、
海軍や海図では「いおうじま」とされてたそうですが、
古くから「いおうとう」に呼称を統一してほしいという
旧島民およびその子孫などの間にあったそうで、
2007年3月に小笠原村議会で採択され「いおうとう」になったそうです。
硫黄島 (東京都) - Wikipedia
硫黄島の呼称を「いおうじま」から「いおうとう」へ変更 国土地理院 2007年6月18日
さて、硫黄島の場所から。

グーグルマップ
太平洋プレートに押されているフィリピン海プレート上の島です。
この硫黄島は、とても地殻変動が多い島で、
小さな島の中でもベクトルが違ったりするので、
地殻変動の地図でも「>」ってなってる場所で見つけやすいんですよね↓
下は2013年〜2014年の地殻変動

最新の地殻変動情報 国土地理院
下は2010年〜2011年(震災前)の地殻変動

全国の1年間の地殻変動(平成22年2月下旬から平成23年2月下旬まで、別紙15)PDFファイル 国土地理院
※詳しい震災直前の地殻変動は、
東日本大震災前と東日本大震災後の地殻変動の向きについて
をご参照ください。
「>」ってなっている場所が硫黄島です。
島の中ではこんな感じ↓

硫黄島周辺の地殻変動(水平ベクトル図)(資料[PDF形式) 国土地理院
この硫黄島、上の島周辺の地殻変動の時期、
平成24年(2012年)4月27日頃も隆起があったそうです。それも約15p。
平成24年(2012年)4月27日頃からの硫黄島の地殻変動について 国土地理院

硫黄島周辺の地殻変動(成分変化グラフ)(資料[PDF形式) 国土地理院
ただ、2009年からのグラフだと、もっと隆起してるんですよね。

硫黄島周辺の地殻変動(成分変化グラフ)(資料[PDF形式) 国土地理院
2009年1月の-80pあたりから2012年5月ごろでは+160pあたりに。
つまり2m以上も隆起したことに。
さらに、グラフを見てると、
2011年1月ごろから急激に隆起しだしてますよね。
2011年3月の東日本大震災後も隆起し続けています。
これほど隆起する島なので、
その事実から地震が近いとかはまったく判別できないでしょうけど、
硫黄島の隆起は、やっぱり太平洋プレートに押し込まれ、
その境界近くのフィリピン海プレート部分が盛り上がりながら西へ移動している姿は、
いずれ大きな力(地震)で解消されるかもしれないと思うと、ちょっと怖いですね。
ちなみに、この1年間の地震発生グラフと震源分布図↓

火山活動連続観測網 VIVA ver.2 小笠原硫黄島観測データ
※クリックして頂くと拡大した画像が開きます
地震発生は2014年2月下旬から3月上旬に増えていますが、
上のツイートでは、隆起もそのあたりから急激に上がっているようにも見えますね。
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